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男性更年期とは

男性更年期とは

「更年期障害」は、性ホルモン分泌の低下や乱れが原因で起こりますが、これまで女性特有のものと捉えられてきました。しかし、男性にも男性ホルモン・テストステロンの減少により、更年期障害があることが分かってきました。テストステロンが減少して男性更年期症状がでる状態を加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)ともいわれ、日本国内に約600万人の患者がいるといわれています。
テストステロンは、10代後半から20代にかけて分泌量がピークをむかえ、中高年になってくると徐々に減少していく傾向がありますが、加齢だけが減少の原因ではありません。ストレスや生活習慣などの影響を大きく受けるため、個人差も大きいといわれています。また、テストステロンは骨や筋肉の強度を維持したり、血液を作る働きをしたりなど、男性の日々の生活においてとても重要な働きをしており、身体を作るだけでなく社会的理性や認知機能など、脳の働きまで任されているのが特徴です。テストステロンが減少すると、性欲や認知機能、心理機能が著しい影響を受けるようになり、勃起しない、性欲減退、睡眠障害、気分が沈みがちになる、疲れやすい、筋力の低下、内臓脂肪の増加、骨がもろくなるなどの症状を呈するようになります。
日本の社会では、テストステロンが低下し始める40代は、中堅としての役割や管理職としてのストレスを抱え込みやすい時期とも一致します。男性は、女性のように閉経にあたる劇的なホルモンの変化がないため、いつ始まるのか、いつまで続くのかが不明瞭なことがあり、年のせいだろうと放置するケースが少なくありません。
自己判断する前に次の自己チェックをして、医師に相談にいく際の参考にしてみましょう。

 


 

「男性更年期度チェック」

 

更年期症状の対処をしましょう

チェックの結果はいかがでしたか?テストステロンの減少による不調を抑える方法として、まずは生活習慣の改善をしましょう。適度な運動や十分な睡眠、バランスの摂れた食事などを心がけましょう。また、厚生労働省の長寿科学研究でも、筋肉トレーニングが男性ホルモンの減少を抑えるとの結果が明らかになっています。仕事に充実感を持って取り組まれている方、仕事以外の日常 において趣味や家族との関係性を通して自分らしく充実した日々を送っている方は、男性更年期障害を発症するリスクは低いと考えられます。

①十分な睡眠を!

夜更かしは大敵です。
テストステロンは夜中に作られるので、夜中1~3時の睡眠は重要です。

②運動の習慣化

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動や筋肉トレーニングなどお勧めです。なかなか時間が取れない場合は、リフレッシュのためのマッサージやストレッチなども効果的です。

③食事の改善

若い頃と同じ食事料をとっていても太るのは、脂肪の代謝機能低下で内蔵型肥満が生じやすいためです。摂取カロリーを制限し、食物繊維などを増やすなどの工夫をしましょう。また精のつく食品(ニンニクや玉葱、山芋など)を摂ることもお勧めです。

 

生活習慣の改善を試みても症状の改善が見られない場合・・・
男性更年期を取り扱う泌尿器科やメンズヘルス外来で医師に
相談することをお勧めします

保健師:森上 明美