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放射線治療装置が新しくなります(平成30年4月発行 春号より)

放射線治療と言えば、ピンポイントに放射線を照射して治療する定位放射線治療や陽子線や重粒子線治療の話を聞かれた方も多いと思います。近年、放射線治療は装置やIT機器の進歩に伴って、高精度な治療ができるようになっています。

当院では昭和36年の開院時より放射線治療に取り組んでおり、広島県東部では最初に放射線治療を開始した病院です。その後も当院は装置を更新しながら、広島県東部地区の放射線治療に大きな役割を果たしています。当院は放射線治療を管轄する日本放射線腫瘍学会の認定施設にもなっています。そして、今回はより高精度な放射線治療ができるように今年の6月を目標に新しい放射線治療装置の導入を進めています。

リニアック

当院では放射線治療にリニアックと呼ばれる装置を使用しています。X線もしくは電子線を体の外側から照射する装置です。体の外部から放射線を照射する装置としてはガンマナイフやサイバーナイフなどもありますが、いろいろな治療ができて、使いやすいことから多くの施設では当院と同じようにリニアックが使用されています。リニアックはX線撮影に使用する放射線の百倍くらいのエネルギーの放射線を使用するために、Ⅹ線撮影で使われる装置よりずっと大型の装置になります。

 

 

リニアックは近年、定位放射線治療、IMRT、IGRTなど、新しい技術が開発されました。今回の装置の更新により当院でも最新の放射線治療の技術も行えるようになります。

放射線治療部

当院の放射線科は1階の西側にありますが、放射線治療部はその中でも西側で、病院の正面玄関の反対側の奥になります。そのため、放射線治療部まで来られた方は少ないと思います。

放射線治療部にはいると廊下に面して受付と診察室、CTシミュレーター室、患者説明室があります。放射線治療では看護師の患者さんへの説明や看護が重要なので、今回の更新の工事に合わせて、新たに看護師が主に使用する患者説明室を作りました。また、CTシミュレーターというのは放射線治療の部位を正確に決めるために使用するCTのことです。通常の画像診断でも使用されるCTに正確な位置情報を得られるシステムが併設されています。

廊下の奥にはリニアックが設置されているリニアック室があります。装置が大きいこともあって、リニアック室がもっとも面積が広くなっています。リニアック室は放射線が発生するために管理区域になっており、スタッフと患者さん以外の立ち入りは制限されています。

 

放射線治療スタッフ

放射線治療室のスタッフとしては主に放射線治療医と診療放射線技師、看護師が関わっています。

当院の放射線治療医は放射線治療専門医の資格を持ち、放射線治療には約30年間携わっています。

診療放射線技師はリニアックやCTシミュレーターなどの装置を操作するのみではなく、治療装置の精度管理を行い、放射線治療の計画の作成に関わっています。これらの業務を安全で正確に行うために、当院の診療放射線技師は聞きなれないと思いますが、 医学物理士、放射線治療品質管理士、放射線治療認定放射線技師などの資格を取得しています。

看護師は治療の経過や放射線治療にともなった症状よく理解してないと適切な患者さんへの対応や説明ができません。そのため、放射線治療を専門に担当する看護師が放射線治療室に配属されています。

現在は新しい装置の稼働に向けてスタッフ一同で取り組んでいます。放射線治療装置の更新後は今まで以上に放射線治療で地域の医療に貢献できるよう努めたいと思っております。

放射線治療科部長 水田 昭文