五月病について
若葉の鮮やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
五月病・・・・よく聞くこの病名、実は医学的には、このような病名は存在しません。ではいったいどのようなものなのでしょうか??
新年度は進学、就職、異動、転居などで、環境が変わる人は多いと思いますが、その環境に適応しようと頑張っても、思うように適応できず、5月の連休明け頃から、気分が落ち込む、不安になる、仕事に集中できない、眠れないといったスランプ状態に陥ることがあります。これがいわゆる『五月病』です。精神的な症状以外にも、食欲不振、胃痛、めまい、動悸など身体的な症状が出る場合もあります。
五月病になりやすい人の特徴として、几帳面できっちりしている、真面目、責任感が強い、周囲に合わせる、感情を表に出さない、といったものが挙げられます。
この時期、心や体の不調に気づいたら、積極的にリフレッシュやストレスケアをしましょう。趣味やスポーツを楽しむ、心許せる人と話す、ゆっくり寝る、美味しいものを食べる等、自分にあった方法で気分転換していきましょう。
五月病は一過性の心身の不調であり、下の図のように1~2か月で自然と環境に慣れ、症状も改善していきます。もし、数か月経っても症状が治らず、趣味などの好きなことに対しても関心がなくなり、楽しめなくなってきたら要注意です。早めに周囲の人に相談しましょう。心療内科等の専門医に相談することもお勧めします。
ゴールデンウィークは旅行や娯楽などで、生活リズムが乱れがちになります。睡眠リズムを乱さないことが五月病の予防には効果的です。ゴールデンウィーク明けには、あなたご自身はもちろん、ご家族や職場の方の様子もチェックしてみてください。
五月病は大人だけではなく、子どもでもかかる可能性は十分あります。お子さんがいる家庭ではお子さんの様子にも注意してみましょう。子どもによく見られる症状としては、表情が暗い、元気がない、イライラしている、口数が減る、ご飯をあまり食べない、学校に行きたがらない等があります。
学校で働かれている組合員の皆様の周りには、もしかすると五月病の症状が表れている生徒さんがいるかもしれませんね。普段と様子が違う生徒さんを見かけたら、「頑張りすぎてない?」、「何か様子が違うね」等と声をかけ、ゆっくり話を聞いてあげることをお勧めします。
それでは、心も体もリフレッシュできる楽しいゴールデンウィークをお過ごしください 。
文責 心理療法士 加藤一葉